SRC(ソーシャル・リアリティ・コントロール:意識・風土改革)
SRCとは
SRCの考え方
研修や意識改革活動において、それに参加した従業員は、参加直後には一定の成果(意欲の高まり、知識の向上、コミュニケーションの活性化など)は上がります。しかし、これらのねらいは、その効果を行動にまで結びつけ、さらに長期間にわたって持続させることで初めて達成するのであり、一時的な意識改革で終わってしまっては意味がありません。
この問題は、世の中のありとあらゆる研修やセミナーの類につきまとう障害であるといえます。研修で十分に納得し、やる気も高まって行動計画まで立てた参加者がなぜ現場に帰ると元の状態に戻ってしまうのか、その原因を一言で表すと、その集団が認識しているリアリティに変化が起こらないからということができます。
ここでいう「リアリティ」は、社会心理学の用語ではソーシャル・リアリティ(社会的現実性)とも呼ばれ、人々はそれぞれの認識のもとに行動し、現象を引き起こすことから、集団が共有した考えを持ち、行動することで、現実(感)は変わるという考え方です。セミナーの例でいうと、やる気を持った参加者が職場という日常に戻ったとき、自分の行動を変えようと思っても他の人は共通の価値観を持っていなかったり、自分だけやっても損であるなどと思っていたりすれば、行動は自然消滅し、変化は起こりません。
さらに、職場全体のムーブメントとなるためには、個人の変化が全体の変化として周囲に波及する必要があります。
この流れは、研修など変化のきっかけにより個人の認知が変化し、動機づけが向上することによって行動が起こり、それを認知した周囲の人々が同じ変化をたどって最終的に組織全体の変化となり、顧客や市場に変化を及ぼす、というリアリティ変化の流れを意味します。このように、集団が認識しているリアリティを望ましい方向に変化させる(セルフコントロールする)ことを
SRC(ソーシャル・リアリティ・コントロール)といいます。