ON・I・ON2とは

ON・I・ONとは?

会社ON、組合にもON
ON・I・ON(オニオン)とは、I(=私)を中心とした集団や組織への積極的な関わり方、すなわち「会社にもON、それ以外の生活にもON」という多重帰属ネットワーク社会のライフスタイルを表しています。

よく「会社に行く日がON、それ以外がOFF」、「ネットでのコミュニティがON、実際に会う時がOFF」と言ったりしますが、ON・I・ON(オニオン)では、会社にもON、家庭にもON、地域のサッカークラブにもON・・・というように、人々が必要に応じて複数の集団や組織に帰属し、それぞれの集団に対して思い入れや行動という資源を投入している状態を意味します。

ON・I・ON2は、これをさらに進めて、「会社にもON、組合にもON」である状態を示しています。


ON・I・ON2プロジェクトとは

組合員がメンバーである自覚を促すための共同研究から始まった
1990年、多くの組合で組合員の組合離れが叫ばれ、活動のメニューが多様化し、組合のユニオン・アイデンティティ(組合は何者で、一体何をするところか)が拡散する中、国際経済労働研究所では「労働組合の参加関与型組織としての再生」をテーマに、労働組合を取り巻く意識を研究するためのプロジェクトを立ち上げました。それがON・I・ON研究会です。

このプロジェクトは、現状の労働組合のあり方に警鐘を鳴らし、組合費を払ってサービスを受け取る「お客様」としての組合員の満足ではなく、活動を自ら担う「メンバー」として、組合員の関与を求めるという、労働組合の参加関与性を問う共同研究プロジェクトです。


みんなの思いを実現するための運動体として
職場内外の問題解決を組合員自身が担うにあたっては、会社にもON、組合にもONであることが必要です。さらには、組合員に「組合にON」と位置付けられるためには、労働組合は「組合だからこそできる活動は何か」といったユニオン・アイデンティティを明確にする必要がある、というのがON・I・ON2プロジェクトのメッセージです。

「自分たちの職場を、会社を、産業を、社会をどうしていきたいのか」、それを組合員自身が考え、向かうべき理想を掲げてともに運動する、それが運動体としての労働組合の本来の姿であり、(現状では)目指すべき姿といえます。

研究会発足から20年以上経た今でも、ON・I・ON2プロジェクトは、多くの労働組合がこの理念に共感し、様々な形で「参加関与型組織」を目指し、さらに、組合員みんなの思いを実現するための運動を進めています。


※「ON・I・ON2調査」として知られている、公益社団法人国際経済労働研究所の第30回共同意識調査はこのコンセプトをもとに設計され、現在では全国390組織、組織人員230万人の労働組合が参加しています。

※「ON・I・ON2研修」「ON・I・ON2公開セミナー」はこの理念を体現した研修プログラムで、公益社団法人国際経済労働研究所と株式会社応用社会心理学研究所が多くの労働組合の協力を得て開発しました。